90番目の夜

音楽と脳の研究紹介や、文献管理ソフトの人柱報告などしています。

音楽の脳科学に関する論文集 vol.56

以前の記事で、Physics of Life Reviewsという雑誌で組まれた 音楽と感情についての特集号と、Koelschさんのレビューを紹介 しましたが、これ対する意見論文がまた同じ雑誌に掲載されました。 The meanings of semantics: Comment on "Towards a neural basi…

音楽やればノーベル賞も夢ではないのですよ。

The newest Nobel Laureate is also a musician! (Scientific Americanより) 今年のノーベル物理学賞は宇宙の膨張加速を発見したアダム・リース、 ブライアン・シュミット、ソール・パールマッター教授らに決まりましたが、 パールマッター教授は宇宙物理学…

イグ・ノーベル賞

さて、すでにいくつかニュースで報じられていたりしますが、 今年のイグ・ノーベル賞が発表されました。 イグ・ノーベル賞に日本人 つ〜んとわさび火災報知器(asahi.com) イグ・ノーベル賞に日本の7人 わさびの香りの火災警報装置 (日経新聞) わさびで…

今年のノーベル賞予想は・・・

【 2011年9月21日 ノーベル物理学賞有力候補に大野英男東北大教授 】 (サイエンスポータルより)ちょっと古くなってしまいましたが、今年もノーベル賞の季節がやってきました。 例年日本人が何人か候補として挙げられている感じですが、今年は東北大から 一…

音楽の脳科学に関する論文集 vol.55

もはや月一更新となっているブログですが、がんばっていきますよ。 先週は横浜で行われた神経科学学会でポスター発表をしてきました。 人だかりができるほどの人気はありませんでしたが、興味を持っていただけた (であろう)人がパラパラと足を運んできてく…

音楽の脳科学に関する論文集 vol.54

すっかりご無沙汰してしまった今日このごろ、皆様いかがお過ごしでしょうか。 7月は初めて講義をしたり、トレーニングコースに行って1週間みっちりと SPMの勉強をしてきたり、論文書いたり実験のプログラミングをしたり、 何やら忙しい月でした。そして気が…

音楽の脳科学に関する論文集 vol.53

先週末で高速料金の上限1000円が廃止になってしまいました。 一連の高速料金見直しは私がドイツに行く直前に始まったので、 帰国したら高速使いまくってやる!と思っていました。 帰国して車を買って、さっそくETCをつけてETCカードも作って 準備OK!となっ…

音楽の脳科学に関する論文集 vol.52

今回の論文はちょっと変わったものが出揃いました(笑) 最近論文紹介が続いているので、ちょっと息抜きということで。 The cause of P.I. Tchaikovsky's (1840-1893) death: cholera, suicide, or both? Acta Med Hist Adriat. 2010;8(1):145-72. Kornhause…

音楽の脳科学に関する論文集 vol.51

先週末、所属しているアマチュアオーケストラの演奏会がありました。 マイナーな曲を好んで演奏するという厄介な(笑)オケなので、実際のところ パッとしない曲なんじゃ、と思っていたのですが、意外にいい曲でした。 演奏は個人的に汗顔ものでしたが… 来週…

音楽の脳科学に関する論文集 vol.50

前回紹介したニュースととても似たネタになっていますが… Congruence of happy and sad emotion in music and faces modifies cortical audiovisual activation. Neuroimage. 2011 Feb 14;54(4):2973-82. Epub 2010 Nov 10. Jeong JW, Diwadkar VA, Chugani …

ちょっと古いニュースですが…

月日が経つのは早いですねぇ(しみじみ) 気が付いたらまた2週間経っていました。 先週は大阪まで研究会に行こうとしたら、まんまと道に迷って 挫折してしまいました… Music Changes Perception, Research Shows (Science Dailyより) ScienceDaily (Apr. 2…

音楽の脳科学に関する論文集 vol.49

昨日、大阪で開かれている「音楽と脳」勉強会にお邪魔させていただきました。 ジャーナルクラブ的な感じでしたが、顔ぶれはけっこう多彩な感じ。 発表者の方はfMRIの経験がないにも関わらず、fMRIの論文を丁寧に 解説してくれました。まあ、論文の内容がちょ…

音楽の脳科学に関する論文集 vol.48

1ヶ月以上の休止を経て、ようやくの復活となりました。ばんざーい。 前の記事でも書きましたが、この4月からは京都でまたポスドクをしています。 運良くというか、また音楽認知に関する脳科学的なことを続けられているので、 このブログも懲りずに続けていき…

さよならライプチヒ

というわけで、2年間のドイツ生活もいよいよ明日で終わりとなりました。 ライプツィヒでは音大みたいなところの人たちの協力の下、指揮者の指揮に タイミングを合わせる際に脳内でどういう事が起こっているのか、という事を 調べたのですが、被験者集めの手…

近況報告みたいなもの。

気がつけば1ヶ月以上も放ったらかしでした… 最後の更新からすぐ、無事4月からの仕事場が決まりました。バンザーイ。 ルンルン気分で帰国準備でもしようかと思ったら、「帰る前に研究所でやった事を 発表していってね」というお達しが。いまだに英語は全然ダ…

あなたの音楽性をテストします。

How musical are you? (BBCのサイト) イギリスのBBCがロンドン大学と協力して、音楽に関する能力について 面白いテストを行っているようです。主な目的はイギリス人の音楽能力 について調べる事のようですが、質問紙に答えたり音楽性のテストを 行うことで…

音痴の神経メカニズムを探る。

The Neuroscience of Tone Deafness (Scientific Americanより) 音痴の研究といえばIzabelle Peretzさんですが有名ですが、彼女が 音痴の神経メカニズムに迫った研究を紹介した記事で、人の顔が 覚えられなくなる相貌失認という症状と似たようなメカニズム…

音楽への感動とドーパミンの関係

先週のNature Neuroscienceに、好きな音楽を聴いたときに感じるChill response (鳥肌感とでも訳せばピッタリ?)と脳内の報酬系から生じるドーパミンとの関係 についての論文が出ましたが、2つの科学系ニュースが取り上げていました。 Musical pleasure (…

音楽の脳科学に関する論文集 vol.047

もうすっかり遅くなってしまいましたが、あけましておめでとうございます。 この年末年始は特に出かけることもなく、実験の分析をしていました。 大晦日にはゲヴァントハウスのジルベスターコンサートに行ってきましたが、 小ホールだったのでこじんまりとし…

メリークリスマス!

仕事中の音楽が創造性を生む?

Positive Mood Allows Human Brain to Think More Creatively (Science Dailyより) 気分のいい時は仕事も面白いように進み、逆に気分が沈んでいる時には なかなか仕事にも集中しづらいと感じることは誰にでもあると思いますが、 こうした気分と人間の行動…

音楽の脳科学に関する論文集 番外編 vol.6

Cultural constraints on music perception and cognition. Prog Brain Res. 2009;178:67-77. Morrison SJ, Demorest SM. 言語や宗教はある文化と別の文化との間に明確な境界線を引きますが、 音楽はそこらへん意外とアバウトなもので、世界の音楽に見られる…

音楽の脳科学に関する論文集 vol.46

実験が終わったと思ったら論文の再提出の締め切りが迫ってきたり 公募の締め切りが来たりと、心に全然余裕がなかったここ数週間でしたが、 ようやく一段落着くことができました。まだ終わってないけど(汗) Neural correlates of strategy use during audit…

音楽関連のニュースでも。

先週からfMRIを使った実験を始めているんですが、本番前のテストでは問題なく 動いていたプログラムが本番で突然止まったり、MRIを操作するコンピュータが フリーズしたり、ありえんだろーというハプニング満載でがんばっています。そんな感じなので、今イチ…

音楽の脳科学に関する論文集 vol.45

Interplay between affect and arousal in recognition memory. PLoS One. 2010 Jul 23;5(7):e11739. Greene CM, Bahri P, Soto D. 感情的な状態が再認課題を行うのにどう影響を与えるかを調べた論文です。 抽象的な図形を学習させた後で、音楽を使って参加…

逆境の中、ポスドクは頑張っているんですよ。

<論文>優れたものほど若手・外国人が支え 文科省など調査 (Yahoo!ニュースより) 国内外で引用される回数が多い優れた科学論文ほど、「ポスドク」と呼ばれる任期付きの若手研究者や外国人研究者が多く参加していることが4日、文部科学省科学技術政策研究…

研究者もつらいよ…

2010 Life Sciences Salary Survey (The Scientistより) The Scientistから、アメリカの研究者業界における経済的な状況について 調査を行ったというニュースです。この調査は10年来行っているのですが、 今年は前年度よりも給料が下がっている傾向が見ら…

音楽と脳に関するポッドキャスト

The Library of Congress: Music and the Brain アメリカ議会図書館(The Library of Congress)は一億点を越える視聴覚資料を有する 世界最大規模の国立図書館で、日本の国会図書館もここをモデルに作られたそうです。 この図書館ではなんと1970年代からネ…

中学生で全国1位って、どんな気分なんでしょう。

<日本音楽コンクール>バイオリンで中学生1位 26年ぶり (Yahoo!ニュースより) 日本の音楽界への登竜門、第79回日本音楽コンクール(毎日新聞社、NHK共催、特別協賛=三井物産)の本選会シリーズが23日、東京オペラシティで始まった。初日はバイ…

音楽の脳科学に関する論文集 vol.43

Hypersensitivity pneumonitis due to molds in a saxophone player. Chest. 2010 Sep;138(3):724-6. Metzger F, Haccuria A, Reboux G, Nolard N, Dalphin JC, De Vuyst P. 間質性肺炎(Interstitial Pneumonia)というのは、細菌の感染によって起こる 肺炎の…