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90番目の夜

音楽と脳の研究紹介や、文献管理ソフトの人柱報告などしています。

皮膚で聞く?触覚と聴覚の相互作用?

People Hear With Their Skin as Well as Their Ears
(NewYork Timesより)


今週号のNatureに、視覚ではなく触覚を使ってマガーク効果が生じたという報告
載ったというニュースです。


私たちが会話をしているとき、相手の声質や周りの雑音などの聴覚的な要因のほかに、
相手の唇の動きといった視覚的な要因も聞き取りの良し悪しを左右します。
有名なマガーク効果は、"ba(バ)"という声と一緒に"ga(ガ)"の唇の動きを見せると、
見ている人には"da(ダ)"という風に聞こえてしまうという錯覚で、これは視覚的な情報も
音の知覚に影響を与えている、という視聴覚の相互作用を示す現象の一つです。





実験では、参加者に"ta"や"pa"(発音時に一瞬息が漏れる)、あるいは"da"や"ba"
(発音時に息はそれほど漏れない)をホワイトノイズと一緒に聞かせ、どの音が聞こえたかを
報告させたところ、"da"や"ba"の方が正答率は高くなりました。しかし、音声と同時に空気を
一瞬だけ噴き出すエアーパフの装置を使って参加者の手あるいは首に空気を当てた
場合には、逆に"ta"や"pa"の方が正答率は高くなりました。


著者たちは、参加者の脳がエアーパフの刺激を"ta"や"pa"の音声に伴って生じる
空気の漏れと勘違いしてしまったためにこれらの正答率が上がったと考え、音声知覚
の際には、聴覚や視覚だけでなく触覚からの情報も統合されると結論づけています。


でも、実際に他人の"ta"や"pa"に伴って生じる息の漏れなんて感じる事はまずない、と
著者自身も言っているように、とても信じられない結果です。結果のグラフを見ると
エアーパフのあるなしできれいに正答率が上下しているんですが、なんかなぁ・・・