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90番目の夜

音楽と脳の研究紹介や、文献管理ソフトの人柱報告などしています。

ストラディバリの秘密、ニスにあらず。

What Exalts Stradivarius? Not Varnish, Study Says
(NewYork Timesより)



バイオリンの名器といえばストラディバリウスが有名ですが、彼は17世紀イタリアの
弦楽器製作者で、多くのプロ音楽家が彼の作った楽器を弾いています。
日本人で言えば、諏訪内晶子庄司紗矢香、そして高嶋ちさ子も使っています。


どうしてそんなにストラディバリウスがいいのか?とは誰もが思う疑問でしょう。
彼の時代にはグァルネリやアマティといった有名な製作者もいますが、一般的に
知られているのはやはりストラディバリウスでしょうか。数年前にはオークションで
ストラディバリのバイオリンが4億円で落札されたことがニュースにもなりました。


ストラディバリウスはよく響き音色が素晴らしいという話ですが、多くの人たちが
その秘密を探ろうと使われた木材や製作方法などに注目して研究をしてきました。
例えばCTスキャンを使った研究から、ストラディバリウスの楽器に使われた木材は
現代の物より木の密度が均質である事が示されています。


また、木材のほかに重要な要因として特別なニスの存在も言われていました。
なんでも、琥珀やハチが作り出す"ろう"、火山灰が入っているとかいないとか。
基本的にニスは木材を保護したり、ツヤを出して美しく見せるための物だと
思うのですが、それ以外の働きがあったのでしょうか。


しかし今回、ストラディバリウスの楽器から取ったニスのサンプルを分析したところ、
その時代の家具に使われていたような普通のニスの成分しか見つからなかったそうです。

Their study, published online on Thursday by a German chemistry journal, Angewandte Chemie International Edition, found that a drying oil, linseed or walnut, was used as a first coat to seal the wood. That was followed by a coat of oil and pine, fir or larch resin, with red pigments added in all but the earliest instrument.
(記事より)


この発見をしたパリの音楽博物館の化学者Jean-Philippe E'chardは、冗談まじりに
「美しい楽器を見たら、演奏家はキレイに弾きたくなるんじゃないか?たぶんそれが
ストラディバリの音色の秘密だよ」と語っています。


なかなかうまい事言いますね(笑)