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90番目の夜

音楽と脳の研究紹介や、文献管理ソフトの人柱報告などしています。

音楽の脳科学に関する論文集vol.18

Similar cerebral networks in language, music and song perception.
Neuroimage. 2010 Feb 12. [Epub ahead of print]
Scho"n D, Gordon R, Campagne A, Magne C, Aste'sano C, Anton JL, Besson M.


言葉も音楽も同じ耳から入ってくる情報ですが、言葉は左半球優位で音楽は
右半球優位といった脳内処理の違いがいくつかの研究では報告されています。
この研究では、歌詞付きの音楽を使うことで脳内で音楽と言葉がどれだけ異なる
処理を受けるのかをfMRIで調べました。


話し言葉やボカリース(aとかuといった母音だけを使う歌い方)、そして歌詞
(音楽と一緒に聴いたという事でしょう)に対する異同判断を行う最中の脳活動を
見たところ、STGやIFGなどどれも同じような場所に活動が見られ、言語も音楽も
ある程度同じような脳内処理過程を経ているのではないか、と結論づけています。




Musicians' and nonmusicians' short-term memory for verbal and musical sequences: Comparing phonological similarity and pitch proximity.
Mem Cognit. 2010 Mar;38(2):163-75.
Williamson VJ, Baddeley AD, Hitch GJ.


言語と音楽の処理過程の違いについてはそれなりの研究がありますが、その多くは
脳科学的な手法で、行動実験的な手法はそれほどないのだそうです。


この研究では文字と音列の系列再生の成績を調べるテストを開発して、短期記憶に
おけるこれらの違いを調べたところ、あまり違いはなかったようです。しかし、音楽経験者
は文字の記憶で似たような文字による干渉が見られたものの、音列においては類似性に
よる干渉がみられなかったとのことです。音楽経験がない被験者では文字も音楽も
類似性による干渉が見られたことから、音楽経験の有無によって課題を解く方法が
異なることが示唆される、という結論になっています。