90番目の夜

音楽と脳の研究紹介や、文献管理ソフトの人柱報告などしています。

JSTの仲人としての腕は良いのか悪いのか。

持参金480万円付きでも…ポスドク就職支援苦戦
(Yahoo!ニュースより)


ポスドクの雇用を希望する企業に対する支援という形で、科学技術振興機構
高度研究人材活用促進事業というプロジェクトを去年からスタートさせましたが、
その1回目(次はあるのか?)の結果が記事になっています。

「高度研究人材活用促進事業 」では、科学技術振興機構(JST)の企業化開発事業に
採択された課題(※)の中で、ポストドクターを雇用する企業等を緊急に支援します。
科学技術振興機構のページより)

事業は独立行政法人科学技術振興機構が担当。同機構が選んだ企業28社が11月から
4か月間、ポスドクを募集し、23社29人の採用が決まった。それでも、目標である40人には
達せず、途中で辞退した1社を除き、採用が決まらなかった4社は、募集を4月中旬まで
延長することになった。
(Yahoo!ニュースより)


ポスドクを雇いたいと名乗りを挙げた企業が28社あって、それに対してポスドクを紹介
したところ23社で採用が決まった、と。また別の見方をすれば、先方が「ポスドクを…」と
指名しており、さらに持参金まであるのに4社では採用まで至らなかった、と。


…。


Wired Visionの当時の記事によると、100人程度が就職可能になると見込まれているとの
ことでしたが、Yahooによると目標は40人だったとのこと。ちなみにWiredによると2008年
10月時点で定職に就けない博士号取得者は1万6千人だとか。仮に40人全員が就職できた
としても、割合からすると0.25%。こういうのを焼け石に水というのですね。




ポスドクを全員パーマネントの研究職にしてあげようというお達しでもない限り、
どういう政策を取ってもすべてのポスドクが満足できる結果は得られないでしょうから
(今回の支援だって文系のポスドクが入る余地は全くない)、最終的にはポストに対する
シビアな競争が待っていることは逃れられない運命とあきらめるしかないのでしょうが、
ポスドクの就職難は自己責任だ」とか厳しい言葉ばかり浴びせないでもねぇ。
そんな事言われたら泣いちゃいますよ。