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90番目の夜

音楽と脳の研究紹介や、文献管理ソフトの人柱報告などしています。

音楽の脳科学に関する論文集 vol.24

Music playing and memory trace: Evidence from event-related potentials.
Neurosci Res. 2010 Apr 16. [Epub ahead of print]
Kamiyama K, Katahira K, Abla D, Hori K, Okanoya K.


理研の岡ノ谷先生のところからの論文です。
メロディの記憶方法とMismatch Negativity (MMN) の大きさについて調べた研究で、
ピアノ経験者に対して2種類のメロディを用意し、片方は実際にピアノを弾きながら
学習させ、もう片方は聴くだけで学習させました。


参加者を絶対音感(AP)テストの成績によってHighとLowのグループに分け、
それらのメロディに対するMMNを測定したところ、Low-APのグループでは
記憶方法によってMMNの大きさに違いは見られなかったものの、High-APの
グループでは演奏しながら覚えたメロディに対するMMNが大きくなりました。


High-APのグループは子供の頃から長くピアノを続けている人たちが多く、
Low-APと比べて脳内により強いauditory-motor networkが形成されていると
考えられます。そのため、ピアノを弾きながらメロディを記憶する際には
運動系の助けによってより強く記憶が形成されたために、ただ音を聴いて
記憶しただけのメロディよりも大きなMMNが生じた、という解釈のようですが、
参加者の構成を見てみると、例えばHigh-APには4歳から6年間の経験だけと
いう人がいたり、Low-APには3歳から17年という経験の人もいて、ちょっと
参加者のグループ分けがうまく出来ていないような…


メロディ刺激は4小節と短いので、nonmusicianも参加者に加えてピアノ演奏を
させることも可能だったのではないでしょうか。そうすればもう少し強く主張
できたと思うのですが。Musicianを探すよりずっと簡単ですし。