90番目の夜

音楽と脳の研究紹介や、文献管理ソフトの人柱報告などしています。

頭の中には壊れたジュークボックスがあるんです。

Hey Jude: Get That Song out My Head!
(Science Dailyより)


以前地下街を歩いていたら、突然頭の中でキャンディーズの「年下の男の子」が
浮かんできて、しばらくそれが頭から離れず困ったことがありました。



おそらくほとんどの人がこういう風に頭の中で曲が流れて止まらない、という
経験をしたことがあると思いますが、カナダ人の中でもっとも頭に浮かびやすい
曲は「雨に唄えば」なんだそうです。





この現象(Earwormと呼ぶようです)についてカナダのモントリオール大学の
大学院生が研究を行っている、というニュースですが、これまでの研究から、
この現象は気分がいいときでかつ知的でない活動(歩くとか)に追われている
ときに生じやすいようで、気分を変えようという意味があるみたいです。


ほかにも、音楽家の方が非音楽家よりも頭に音楽が残っている時間が
長いことや、実に正確な音程で再現できることなどが分かってきたようで、
今後はfMRIやTMSを使ってearwormが生じる脳内メカニズムを調べることも
計画されています。


音楽を思い浮かべているときの脳活動についてはいくつか研究がありますが
これとかこれとか)、このearwormについては意識的に行うものではないので、
音楽のイメージとは別のメカニズムが存在すると研究者たちは考えているようです。