90番目の夜

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トムソン・ロイターのノーベル賞予想と忘れちゃいけないアレ

21名の新たなノーベル賞有力候補者を発表
トムソン・ロイターより)


今年もそんな季節になってしまいました。


研究機関や論文引用のランキングで知られるトムソン・ロイター社が、
今年のノーベル賞有力候補の21名を「トムソン・ロイター引用栄誉賞」として
発表しました。

トムソン・ロイター引用栄誉賞」は、過去20年以上にわたる学術論文の被引用数に基づいて、各分野の上位0.1パーセントにランクする研究者の中から選ばれています。


医学・生理学分野で6人、物理学で7人、化学で4人、経済学で4人となっています。
詳細はリンク先のページにも書かれていますが、抜き出しますと

<医学・生理学>
幹細胞の発見、および人工多能性幹細胞iPS細胞)の開発
山中 伸弥(日本/アメリカ)
Ernest A. McCulloch(カナダ)
James E. Till(カナダ)


食欲と代謝の調節ホルモン、レプチンの発見
Douglas L. Coleman(アメリカ)
Jeffrey M. Friedman(アメリカ)


免疫応答の主要な調節因子である樹状細胞の発見
Ralph M. Steinman(アメリカ)


<物理学>
ウィルキンソンマイクロ波異方性探査機(WMAP)から届いたデータによる発見
Charles L. Bennett(アメリカ)
Lyman A. Page(アメリカ)
David N. Spergel(アメリカ)


表面プラズモンなど、サブ波長格子アレイからの光透過に関する研究
Thomas W. Ebbesen(フランス)


宇宙膨張の加速と、その意味するダークエネルギーの存在に関する発見
Saul Perlmutter(アメリカ)
Adam G. Riess(アメリカ)
Brian P. Schmidt(オーストラリア)


<化学>
多孔性金属-有機骨格の合成法および機能化学の開拓、およびその水素と
メタンなどの気体の貯蔵、精製、分離などへの応用
北川 進(日本)
Omar M. Yaghi(アメリカ)


遺伝子発現差異研究における革新的ツール、DNAマイクロアレイの発明と応用
Patrick O. Brown(アメリカ)


がん治療の改善における重要な貢献である、DNA複製を阻害するインターカーレーター
の発見を含む無機生物化学における先駆的研究
Stephen J. Lippard(アメリカ)


<経済学>
経済に対しての小さなショックがどのように生産性下落の循環を引き起こすかを示す
清滝ムーアモデルの構築
清滝 信宏(アメリカ)
John H. Moore(スコットランド/イギリス)


政治とマクロ経済学との関係、特に政治経済サイクルに関する研究
Alberto Alesina(アメリカ)


賃金格差と労働需要、失業、依存症、医学研究への投資の経済的回収を含む、
社会経済学における先駆的研究
Kevin M. Murphy(アメリカ)


といった面々です。


ほとんどがアメリカ勢で占められていますが、ここ数年世間を賑わしている
山中教授を含めて日本人も3人挙げられています。京大からは化学分野の
北川教授も選ばれており、なかなかすごい事ですね。


ちなみに去年の予想はこちら
25人を予想して、医学・生理学分野を見事的中させています。
今年も的中させる事ができるのでしょうか。
ノーベル賞の発表は10月4日からと予定されています。



さて、本家を取り上げたらこちらも取り上げないわけにはいかないでしょう。
今年のイグ・ノーベル賞は来週、9月30日に発表されるそうです。
こちらも日本人の受賞がここ数年続いていますが、今年はどうなるのでしょうか。