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90番目の夜

音楽と脳の研究紹介や、文献管理ソフトの人柱報告などしています。

音楽やればノーベル賞も夢ではないのですよ。

The newest Nobel Laureate is also a musician!
(Scientific Americanより)

今年のノーベル物理学賞は宇宙の膨張加速を発見したアダム・リース、
ブライアン・シュミット、ソール・パールマッター教授らに決まりましたが、
パールマッター教授は宇宙物理学者であるだけでなくバイオリンを弾く
音楽家でもあり、カリフォルニア大学で音楽と物理学というコースを
教えているそうです。どれほどの腕か記事からはわかりませんが…



Young Children Show Improved Verbal IQ After 20 Days of Exposure to Music-Based, Cognitive Training 'Cartoons'
(Science Dailyより)

就学前の児童に音楽を利用した認知機能のトレーニングをしたところ
わずか20日間で大きな効果が見られた、という研究です。


この実験では、4〜6歳の児童48人を2つのグループに分けて、
片方には音楽を用いた様々な運動や認知に関する課題や音楽の
訓練を行わせ、もう片方には絵画を用いて主に形や色といった
視空間的な能力に関する訓練を毎日1時間20日間行わせました。


訓練の前後で知能検査を行い、言語的な知能と空間的な知能の
評価をしたところ、絵画を使っていたグループでは言語に関する
知能向上は見られませんでした。しかし音楽を使っていたグループ
では、90%の児童に言語的な知能の大きな向上が見られたそうです。


わずか20日間の訓練でも効果が見られたということで、お子様の
言語能力を上げたかったら音楽を習わせれば効果的、ということが
言えそうです。でも、絵画を使ったグループでは空間的な知能が
向上しているでしょうから、音楽に限らず色々なことをやらせたら
いいよねという感じです。



Removal of restrictions can decrease music piracy
(EurekAlert!より)

最後は一風変わった研究を。


音楽産業は、海賊版が流行ることでCDなどの売り上げが落ちるという
主張のもと、Digital Rights Management (DRM)という不正防止技術を
導入しましたが、これがかえって売り上げを抑制する面もあるということ
を示した研究です。


DRMの有無が海賊版の存在にどのような影響を与えるかを調べた
ライス大学のDinah Vernikたちは、こうした技術は確かに海賊版を
作ることを困難にする一方で、正規ユーザーにとっても悪い影響を
与えることを発見しました。


どんなに不正防止技術を使っても、違法ユーザーは海賊版を手に
入れようとするでしょうし、この技術を導入することでCDなどの値段は
高くなり、そのあおりを受けるのはマジメに買う正規ユーザーだけと
いうことになります。さらに、バックアップひとつするだけでも非常に
面倒くさいので、正規ユーザーが海賊版に手を出す原因の一つにも
なり得ます。


ならばいっそDRMをなくせば価格は安くなるし、不便さもなくなり、
上述のような理由から海賊版に手を出していた人たちも通常版に
戻ってくるのではないか、というのが彼らの主張です。さらに彼らの
分析からは、海賊版が減ることで利益が増すということは一概には
言えないということが示されているそうです。


そういう一面もあるとは思いますが、企業側としてはDRMをなくして
しまったら海賊版の存在を認めるという形になるので、やめることは
難しいでしょうねぇ。