90番目の夜

音楽と脳の研究紹介や、文献管理ソフトの人柱報告などしています。

たまにはクラシック以外の話題も。

Can Science Predict a Hit Song?
(Science Dailyより)

過去50年のヒットチャートを元にして、ヒット曲に見られる特徴を調べたという
変わった研究の紹介です。


テンポや曲の長さ、音量、ハーモニーの複雑さなど23個の特徴を元にして、
ヒットチャートのトップ5の曲と下位30〜40位の曲の違いを調べたところ、
面白い傾向が見られました。それによると、80年代以前はダンス系のような
ノリのある音楽は好まれなかったのが、その後だんだんとダンス系の曲が
チャートを賑わすようになってきました。また、90年代以前はハーモニーの
単純な曲がチャート上位に上ることが多かったものが、それ以降の年代に
なると今度はリズムの単純な曲が多くなりました。さらに、最近の曲ほど
概して音量が大きくなり、さらにチャートで上位の曲ほど音量が大きい
という傾向が見られました。


こうした特徴による分け方は、90年代前半や2000年付近のチャート上位と
下位をうまく区別できた一方、80年代の曲については難しかったようです。
これは80年代の曲に独創的なものが多かったからではないかと研究者たちは
考えているようです。


これ、今の日本のチャートでやってみたらどうなるんでしょうかね(・∀・)ニヤニヤ



Really? The Claim: For Famous Musicians, 27 Is a Dangerous Age
(The New York Timesより)

去年の7月、イギリスの歌手エイミー・ワインハウスが27歳で急死しましたが、
この27歳という年齢は有名ミュージシャンにとって鬼門といえる年齢のようです。


というのも、ジミー・ヘンドリックスやジャニス・ジョップリンといった有名な
ミュージシャンも27歳で死去しており、ほかにも27歳で死去したミュージシャン
たちと合わせて「27クラブ」と呼ばれているようです。


ところが、この伝説をマジメに調べた研究からは当然ですがミュージシャン
の死亡率と27歳という年齢には関連性は見られませんでした。研究では
1956年から2007年までのアルバムチャート1位になったミュージシャン
総勢1046人の死亡した年齢を調べたところ、20代と30代の死亡率が
一般人よりも2,3倍高いという傾向が見られたものの、27歳という年齢
で特に死亡率が高くなるということはありませんでした。


また1970年代から80年代の初頭の間は、その当時20〜40代のミュージシャン
が多く死亡しているという傾向はありましたが、80年代後半からはそうした
傾向も見られなかったようです。これはドラッグの大量摂取に対する医療処置
が進歩したからだと研究者たちは考察しています。




こういう都市伝説的な話はほかにもありそうですが、実際にキチンと研究すれば
大抵のものは否定されそうな気がします。ほかにも同じように特定の年齢で
死亡率が高いと噂される職業があると聞いた気もするんですが、何だったか…