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90番目の夜

音楽と脳の研究紹介や、文献管理ソフトの人柱報告などしています。

人柱的文献管理ソフト探索紀行その5

もはや年1回の更新しかしないのではないかという感じになってきましたが、気がつけばもう4月ですよということで新年度にふさわしく、PVのかせげる文献管理ソフトの記事をお送りしたいと思います(せこい)。

 

さて、ご存じのようにこの記事のコンセプトは、複数のPCによる文献管理の共有を無料で行うというものですが、ここ数年で文献管理業界(?)も大きな変化を迎えました。

 

私もこれまでTag2Find→ZoteroEvernote→Mendeleyと色々触ってきましたが、SugerSyncとMendeleyの組み合わせはなかなか相性がよく快適に使ってきました。しかしその後SugerSyncが有料化したことで断念し、その後はCubbyというソフトで共有をしてました。しかしこのCubbyも昨年ついに終了…ここに至ってすべてを無料で行うのはほぼ無理、という結論に達し、涙ながらに有料の物に手を出す事にしました。
 

 

手を出したのはずっと気になっていたReadCube。無料版でもかなり使えるソフトなので以前にも少し紹介しましたが、まだ単体では使いにくいところもありました。有料版のReadCube Proにすると、

  1. バイス間でライブラリを同期できる
  2. PDFをクラウドにアップロードできる(無制限?)
  3. ファイルのリネームができる
  4. 論文にタグをつけることができる

などといった感じで単体で使えるソフトになります。55ドル/年と少し高めですが、まあ使えるならいいかという感じで購入してみました。無料版の情報についてはインターネットにたくさんあるので、ここでは有料版の機能について簡単に紹介します。

 

 

1. デバイス間でライブラリを同期できる

これって無料版ではできないんでしたっけ?まあこれは最低限必要な機能なので、これができるというのは大前提になります。同期についてはほかのPCやiPadに入れたReadCubeで確認できたので、デバイスを気にせずに使えるようになりました。

 

2. PDFをクラウドにアップロードできる

これについても、1000個くらいのPDFをReadCubeに放り込んでみましたが、特に何もエラーも出ず、容量的な心配もないようです。

 

3. ファイルのリネームができる

これはMendeleyと同じ機能で、ReadCubeの無料版では半透明になって使えない「File Management」の下半分が使えるようになります。

 

f:id:dastardly:20170409163646j:plain

使えるようになるのは、PDFを置いておくフォルダの構成変更と、PDFの名前を筆頭著者、最終著者、タイトル、発行年、雑誌名の組み合わせで変更するための設定です。

 

4. 論文にタグをつけることができる

これがないと大量のPDFから目当ての論文を見つけるのが非常に手間なので、この機能はありがたいですね。

 

ReadCubeに論文をインポートした後で、

f:id:dastardly:20170409000332j:plain

 

 

 

論文の情報が見られる右側の画面で、アブストラクトの下には「NOTES」というメモ欄がありますが、ここに#(シャープ)+タグ名を入れることで、タグとして認識されます。

f:id:dastardly:20170409001021j:plain

 

しかし、例えばここでの「time perception」のように2つ以上の単語をスペースでつないだものは最初の単語しかタグとして認識されません。スペースを空けないで「#TimePerception」のようにすれば大丈夫。

 

作ったタグ名は画面左の「Tags」欄に現れます。このタグをクリックすれば、関連する論文を一本釣りすることができます。ただ、このタグ検索の精度が非常に悪い… どういう仕組なのか、全然関係ない論文も一緒に引っかかってくるのでなんとかしていただきたいところです。

 

 

 

そしてこれは有料版ということに関係ないかもしれませんが、論文のインポートができない場合が時々あります。日本語の論文や古い論文については仕方ないところもありますが、なぜかJournal of Cognitive Neuroscienceとの相性がよくない…

 

インポートがうまくいかない場合、何度やってもこんな感じで、

f:id:dastardly:20170409010432j:plain

 

この画像上部のように「importing... 」となったままここから進みません。また、上の画像で2番目にあるPDFのように変な名前で登録されてしまうことも時々あり、それを直しても同期が終わると元に戻ってしまうのでどうしようもない…

 

 

 

 

まとめると、ReadCube Proを使うことで

【メリット】

  • バイス間でライブラリを同期できる
  • PDFをクラウドにアップロードできる(無制限?)
  • ファイルのリネームができる
  • 論文にタグをつけることができる

 

【デメリット】

  • タグ検索の精度がとても悪い
  • インポートできない論文がMendeleyよりも多い

 

といった感じでしょうか。複数PCでの同期という点では非常に評価高いんですが、ソフトとしての機能がちょっと…

 

さらに、これは使っていて気がついたのですが、インターネットにつながっていないとProの機能が使えません。これは痛い。都会なら至る所に無料wifiが飛んでいるかもしれませんが、田舎ではそんなことはないのでこれは痛い。

 

しかもReadCubeは検索と管理がひとつのソフトでできるというのも売りの一つですが、私はReadCubeを使いながら検索はwebブラウザでやっていることに気がついてしまいました。これではReadCubeを使うメリットがあまりない。せっかく高いお金を払ったのに、同期以外の点ではまだまだ改良の余地ありです。さてどうしようか…