帰ってきた人柱的文献管理ソフト探索紀行 vol.2
さて、これまで人柱的文献検索として色々な文献管理ソフトを見てきましたが、やはりEndnote, Mendeley, ReadCubeが御三家と呼んでもよいのではないでしょうか。その後Endnoteの試用版を使ってみて自分の中ではある程度結論が出たので、3つのソフトについて使ってみた感想と良し悪しについてまとめてみました。
大まかに比べるとこんな感じです。
EndNote Mendeley ReadCube
クラウド容量 無制限 2GB 無制限
他PCとの同期 可 不可 可
論文のタグ付け 可 可 可(有料)
メタデータ取込 可 可 可
そして、個別に気づいた点を挙げていきますと…
Endnote
良い点としては、読んでない論文が太字で表示されるのでわかりやすいのと、読んだ論文を星5つで評価することができることでしょうか。WindowsとiPadで同期させても特に問題は見られなかったです。iPadでも同じように使えました。
悪い点は、タグの予測入力がないので長いタグ名は間違いやすいこと、そして論文のインポートがドラッグ&ドロップではできず、一つずつfile → importで行うのが面倒でした。また、複数の論文を同時に開けるものの、タブ機能がないのでウィンドウがどこにいったかわからなくなるというのがどうも。そして、デザインがWindows風でどうにも味気ないのは仕方がないのでしょうかね。そして、こりゃあかんと思ったのは、論文中にハイライトをつけるとPDFに直接入力されてしまうので、AcrobatReaderなどでPDFを開いてもハイライトがついたままという… 当然印刷してもハイライト付きでした。
Mendeley
良い点は、タグの予測入力ができるところです。うろ覚えとか長いタグ名も最初の数文字打てば候補がリストで出てくるのが私にとっては非常に使いやすいです。また、複数の論文を同時に開いてもタブで切り替えやすいし、何を開いているかがわかりやすいのがいいですね。
悪い点としては、ipad版ではタグが出てこないので検索する必要があるところです。また、ソフト上でファイルを削除してもweb上ではゴミ箱に入るだけで、しかもゴミ箱も含めてのクラウド容量なので、たまにはブラウザでMendeleyにアクセスしてゴミ箱を空にしないと、ソフト上にファイルがなくても容量オーバーということが起こります。やらかしました。あと最大のマイナス点は、ソフト単体では論文やコメントを他のPCと同期できないところですね。
Readcube
良い点としては、タブ機能はついてないものの、複数の論文を同時に開くと左のサイドバーに論文名が見えるところですね。また、ReadCubeのウリの一つになっていますが、ブラウザを開かなくても単体でPubMedやGoogle Scholarから論文検索できるのは、面倒くさがりのあなたにピッタリ!
悪い点として、メタデータが取得できないとimporting...で動かなくなることがよくあります。何度これで強制終了させたか… 特に日本語の文献に弱いみたいです。なぜかJournal of Cognitive Neuroscienceでも起こっていましたが。それと、有料版にするとタグ機能が使えるようになるのですが、これがすさまじく当てにならない。タグを指定しても、タグづけた論文が引っかからないだけでなく、タグをつけていない論文が引っかかるし。さらには予測入力もないのでEndNoteと同じく記憶を辿ってタグをつけなければいけませんでした。さらにひどいのは、ネットに繋げないと有料の機能が使えないということです。おそらくアカウントの確認とかするためなのでしょうが、これはひどい。どうにかならないのでしょうか。こちらのソフトも色々試したのですが、前評判と比べるとかなりガッカリ感が多かったのは事実。
というわけでそれぞれ一長一短あるのですが、3者を比較してみると、
職人気質で機能重視。どのPCでも同じように使いたい→EndNote
主に使うPCは決まっていて、必要な論文をサササッと見つけたい→Mendeley
論文検索もオシャレにね。ブラウザ開くなんてダサいわ→ReadCube
という感じではないかと。みなさんはどれに惹かれたでしょうか。
そして私は結局Mendeleyに戻るという…