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90番目の夜

音楽と脳の研究紹介や、文献管理ソフトの人柱報告などしています。

盲目の音楽家のための点字楽譜プロジェクト

Making Braille Music Universally Accessible
(Science Dailyより)

点字で楽譜が書けるという事も初めて知ったんですが、今までは盲目の音楽家に
とっても点字楽譜はなかなか利用しづらい状況であったようです。そこでIT技術を
使って世界中の人たちが簡単に利用できるようなシステムを作ろうじゃないか、と
いうニュースです。


点字といえばルイ・ブライユですが、彼は「文字としての点字」を完成させる
前に、点字による楽譜の書き方を開発していました。しかし、楽譜に書かれた
すべてを点字に翻訳するのは難しいようで、点字になった楽譜はまだ全体の
15%もないそうです。翻訳を行う機関もあるようなのですが、それぞれの
機関において独自のやり方があるらしく、せっかく楽譜を手に入れても読むのが
一苦労なのだそうです。


そこで、XMLを使って点字楽譜の標準フォーマットを作成し、誰でも簡単に
インターネットを介して楽譜を手に入れられるようにしよう、という
CONTRAPUNCTUSプロジェクトがヨーロッパでスタートしました。
(2006年にスタートし、2009年でプロジェクトは終了しているようです。)


Springer Link社のLecture Notes in Computer Scienceシリーズ:
CONTRAPUNCTUS Project: A New Computer Solution for Braille Music Fruition
BMML: A Mark-Up Language for Braille Music


このプロジェクトのカギはBraille Music Markup Language(BMML)という
フォーマットのようで、これで楽譜を翻訳し、Braille Music Reader(BMR)で
読んだり書き込みをしたりする事ができ、さらにMIDIとして聴くことも
できるそうです。しかも専用のディスプレイを使えば楽譜を指先で”読む”
事もでき、さらに、XMLを使っていることでインターネット上に公開する事ができ、
世界中から点字楽譜にアクセスすることが可能になります。


プロジェクトのコーディネーターを勤めたAntonio Quatraro氏は、
「今まではまるで、手が届かないところに宝物が隠されていたようなもの
 だった。だが我々はついにそこへ通じる扉のカギを手に入れたのだ。」
と述べています。確かに、これまで長い間翻訳者たちがコツコツと作ってきた
点字楽譜を利用できる人は少なかったわけですが、このプロジェクトにより
世界中の人が点字楽譜を手に入れられるようになれば、こうした先人たちの
努力も実を結ぶことになります。そういった意味でこのプロジェクトはまさに
宝物へのカギといえるんじゃないでしょうか。