90番目の夜

音楽と脳の研究紹介や、文献管理ソフトの人柱報告などしています。

2011-01-01から1年間の記事一覧

音楽の記憶とEarwormの研究

How can musicians keep playing despite amnesia? (BBCニュースより) イギリスで指揮者をしていたClive Wearingさんはヘルペス脳炎によって 記憶に障害を受け、わずか10秒前の出来事すら思い出せなくなって しまいました。これはかなり重篤なレベルの健忘症…

音楽の脳科学に関する論文集 vol.56

以前の記事で、Physics of Life Reviewsという雑誌で組まれた 音楽と感情についての特集号と、Koelschさんのレビューを紹介 しましたが、これ対する意見論文がまた同じ雑誌に掲載されました。 The meanings of semantics: Comment on "Towards a neural basi…

音楽やればノーベル賞も夢ではないのですよ。

The newest Nobel Laureate is also a musician! (Scientific Americanより) 今年のノーベル物理学賞は宇宙の膨張加速を発見したアダム・リース、 ブライアン・シュミット、ソール・パールマッター教授らに決まりましたが、 パールマッター教授は宇宙物理学…

イグ・ノーベル賞

さて、すでにいくつかニュースで報じられていたりしますが、 今年のイグ・ノーベル賞が発表されました。 イグ・ノーベル賞に日本人 つ〜んとわさび火災報知器(asahi.com) イグ・ノーベル賞に日本の7人 わさびの香りの火災警報装置 (日経新聞) わさびで…

今年のノーベル賞予想は・・・

【 2011年9月21日 ノーベル物理学賞有力候補に大野英男東北大教授 】 (サイエンスポータルより)ちょっと古くなってしまいましたが、今年もノーベル賞の季節がやってきました。 例年日本人が何人か候補として挙げられている感じですが、今年は東北大から 一…

音楽の脳科学に関する論文集 vol.55

もはや月一更新となっているブログですが、がんばっていきますよ。 先週は横浜で行われた神経科学学会でポスター発表をしてきました。 人だかりができるほどの人気はありませんでしたが、興味を持っていただけた (であろう)人がパラパラと足を運んできてく…

音楽の脳科学に関する論文集 vol.54

すっかりご無沙汰してしまった今日このごろ、皆様いかがお過ごしでしょうか。 7月は初めて講義をしたり、トレーニングコースに行って1週間みっちりと SPMの勉強をしてきたり、論文書いたり実験のプログラミングをしたり、 何やら忙しい月でした。そして気が…

音楽の脳科学に関する論文集 vol.53

先週末で高速料金の上限1000円が廃止になってしまいました。 一連の高速料金見直しは私がドイツに行く直前に始まったので、 帰国したら高速使いまくってやる!と思っていました。 帰国して車を買って、さっそくETCをつけてETCカードも作って 準備OK!となっ…

音楽の脳科学に関する論文集 vol.52

今回の論文はちょっと変わったものが出揃いました(笑) 最近論文紹介が続いているので、ちょっと息抜きということで。 The cause of P.I. Tchaikovsky's (1840-1893) death: cholera, suicide, or both? Acta Med Hist Adriat. 2010;8(1):145-72. Kornhause…

音楽の脳科学に関する論文集 vol.51

先週末、所属しているアマチュアオーケストラの演奏会がありました。 マイナーな曲を好んで演奏するという厄介な(笑)オケなので、実際のところ パッとしない曲なんじゃ、と思っていたのですが、意外にいい曲でした。 演奏は個人的に汗顔ものでしたが… 来週…

音楽の脳科学に関する論文集 vol.50

前回紹介したニュースととても似たネタになっていますが… Congruence of happy and sad emotion in music and faces modifies cortical audiovisual activation. Neuroimage. 2011 Feb 14;54(4):2973-82. Epub 2010 Nov 10. Jeong JW, Diwadkar VA, Chugani …

ちょっと古いニュースですが…

月日が経つのは早いですねぇ(しみじみ) 気が付いたらまた2週間経っていました。 先週は大阪まで研究会に行こうとしたら、まんまと道に迷って 挫折してしまいました… Music Changes Perception, Research Shows (Science Dailyより) ScienceDaily (Apr. 2…

音楽の脳科学に関する論文集 vol.49

昨日、大阪で開かれている「音楽と脳」勉強会にお邪魔させていただきました。 ジャーナルクラブ的な感じでしたが、顔ぶれはけっこう多彩な感じ。 発表者の方はfMRIの経験がないにも関わらず、fMRIの論文を丁寧に 解説してくれました。まあ、論文の内容がちょ…

音楽の脳科学に関する論文集 vol.48

1ヶ月以上の休止を経て、ようやくの復活となりました。ばんざーい。 前の記事でも書きましたが、この4月からは京都でまたポスドクをしています。 運良くというか、また音楽認知に関する脳科学的なことを続けられているので、 このブログも懲りずに続けていき…

さよならライプチヒ

というわけで、2年間のドイツ生活もいよいよ明日で終わりとなりました。 ライプツィヒでは音大みたいなところの人たちの協力の下、指揮者の指揮に タイミングを合わせる際に脳内でどういう事が起こっているのか、という事を 調べたのですが、被験者集めの手…

近況報告みたいなもの。

気がつけば1ヶ月以上も放ったらかしでした… 最後の更新からすぐ、無事4月からの仕事場が決まりました。バンザーイ。 ルンルン気分で帰国準備でもしようかと思ったら、「帰る前に研究所でやった事を 発表していってね」というお達しが。いまだに英語は全然ダ…

あなたの音楽性をテストします。

How musical are you? (BBCのサイト) イギリスのBBCがロンドン大学と協力して、音楽に関する能力について 面白いテストを行っているようです。主な目的はイギリス人の音楽能力 について調べる事のようですが、質問紙に答えたり音楽性のテストを 行うことで…

音痴の神経メカニズムを探る。

The Neuroscience of Tone Deafness (Scientific Americanより) 音痴の研究といえばIzabelle Peretzさんですが有名ですが、彼女が 音痴の神経メカニズムに迫った研究を紹介した記事で、人の顔が 覚えられなくなる相貌失認という症状と似たようなメカニズム…

音楽への感動とドーパミンの関係

先週のNature Neuroscienceに、好きな音楽を聴いたときに感じるChill response (鳥肌感とでも訳せばピッタリ?)と脳内の報酬系から生じるドーパミンとの関係 についての論文が出ましたが、2つの科学系ニュースが取り上げていました。 Musical pleasure (…

音楽の脳科学に関する論文集 vol.047

もうすっかり遅くなってしまいましたが、あけましておめでとうございます。 この年末年始は特に出かけることもなく、実験の分析をしていました。 大晦日にはゲヴァントハウスのジルベスターコンサートに行ってきましたが、 小ホールだったのでこじんまりとし…