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90番目の夜

音楽と脳の研究紹介や、文献管理ソフトの人柱報告などしています。

音楽の脳科学に関する論文集 vol.30

Deliberate Practice Is Necessary but Not Sufficient to Explain Individual Differences in Piano
Sight-Reading Skill: The Role of Working Memory Capacity.
Psychol Sci. 2010 Jun 9. [Epub ahead of print]
Meinz EJ, Hambrick DZ.


Sight-Readingとは楽譜を見ながら楽器を演奏する能力のことで、主に初見演奏のことを
指します。大雑把に言って音楽を習っている人であればそれなりに初見が出来ますが、
これは練習すれば誰でも同じようにできるようになるものでしょうか。もちろんそれが
大きいですが、ワーキングメモリの能力も関係しているんじゃないかという事を調べた
のがこの研究です。


様々なレベルのピアニストを集め、初見演奏に対する評価とワーキングメモリに関する
いくつかのテスト成績との相関を見たところ、経験年数と初見演奏の評価に相関が
見られた一方で、ワーキングメモリテストの成績も正の相関を示し、ただ練習だけが
物を言うわけではなく、ある程度は個々人のワーキングメモリも初見演奏のうまさに
影響を与える、という事を示唆しています。




Vocal perfection in yodelling--pitch stabilities and transition times.
Logoped Phoniatr Vocol. 2010 Apr;35(1):6-12.
Echternach M, Richter B.


ヨーデルは上下の音程を素早く繰り返す独特な歌い方で有名ですが、あれはマネするのが
とても難しいですよね。この研究では、laryngographと呼ばれる装置でプロ歌手と素人との
違いを観察したところ、上下のピッチでの声帯振動の違いに加え、プロの方がより正確に
上下の音程を素早く捉えることが出来ていることがわかったという事です。


ある意味やったもん勝ちな研究ですな。