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90番目の夜

音楽と脳の研究紹介や、文献管理ソフトの人柱報告などしています。

音楽の脳科学に関する論文集 vol.21

Music composition from the brain signal: representing the mental state by music.
Comput Intell Neurosci. 2010:267671. Epub 2010 Mar 11.
Wu D, Li C, Yin Y, Zhou C, Yao D.


世の中には色々なことを考える人がいるもので、脳波の波形をもとに音楽ソファ
なんてものが作られています。そして自分自身の脳波をもとにして作った音楽を
不眠症患者に聞かせたところ寝つきがよくなったという報告もあるようです。


この研究では、寝ている人の脳波を(たぶんウェーブレット)分析し、睡眠の深さに
応じて音楽を作ったところ、調性やリズム、ピッチの異なる音楽が出来たそうです。
そして、これらの音楽を(別の?)参加者に聞かせたところ、音楽の種類によって
覚醒水準(arousal level)に違いが見られました。この方法を使えば、音楽の変化を
利用したEEGのモニタリングだけでなく、セラピーにも使えるかも、という結論に
なっています。


私が昔お世話になった教授は、電気生理の実験で活動電位を測定するときに、
電位の変化をピッチ変化に変換して違いを探す、なんてことをやっていたようです。
また、海馬の神経ネットワーク研究で知られる池谷先生も、神経細胞をピアノの
鍵盤に置き換えて音楽を作りました。


まあ、そうしたものが音楽と呼べるのかとかその音楽に何か期待できるのかといった
話はありますが、データ分析の一つの方法として、データを視覚的に眺めるのとは違う
"視点"が得られる、というのはあるかもしれません。






それにしても脳波の波形を元に作られたソファ、すわり心地悪そうだなぁ…
「快適(comfort)」という言葉を思い浮かべた時に発生したアルファ波、という
事だけど、快適な「何か」じゃなくて「言葉」というところが中途半端な。