90番目の夜

音楽と脳の研究紹介や、文献管理ソフトの人柱報告などしています。

人柱的文献管理ソフト探索紀行その3

さて、忘れたころにやってくる文献管理ソフトのご紹介ですが、今回はMendeleyです。


以前紹介したEvernoteと同様の機能を持っていますが、Evernoteはどちらかといえば
Webページのスクラップブックのような感じなのに対して、Mendeleyはより文献管理に
特化したような感じです。


使うための準備はEvernoteと同じで、最初にWebサイトに行ってアカウントを作ったあと、
パソコンにMendeley Desktopと呼ばれるソフトをインストールします。ソフトがインストール
してあれば、作ったアカウントをソフトに設定することでどのパソコンでも同じように
文献管理ができるようになります。


またWebサイトにもデータはアップロードされているので、ソフトが入ってないパソコンでも
サイトにアクセスすればソフトと同じような処理ができます。



メリット

・Evernoteよりも強力なメタ情報の収集能力。
 例えば手持ちのPDFをMendeleyに加えると、インターネットにつながっている場合は
 自動的にタイトル・著者・ジャーナル名・巻号ページ・URLにキーワードまでほとんどの
 情報を入手してくれます。(たまに抜けていたりしますが、それはご愛嬌…)


・ほかの人と共有ができる。(FAQを見ると10人以下っぽい)
 サイト上から他の人を招待して、自分のデータを共有させることも可能みたいです。
 これなら、研究室内で参考文献を一括管理してみんなで共有する、という事もできそう。
 さらに、Mendeleyのサイト上で一般公開もできる様子。


・WordやOpenOffice用の参考文献リストを作るためのプラグインがついてくる。
 Word用は残念ながら2003と2007しか対応していないですが、APAやシカゴスタイル、
 IEEEなど豊富な形式に対応しています。これはEvernoteにはついてないですが、
 論文書きにはけっこう重要な機能で、これはありがたいですね。
 ただ私の場合はWord2000なので、この機能が使えない…


・Web Importerと呼ぶブックマークレットを使って「お気に入り」に登録すれば、
 ブラウザ上から1クリックでWebページをMendeleyに送ることができる。
 Mendeleyに送ってしまえば、1で紹介したように自動的にページの情報をある程度
 集めてくれるので、後で「これなんだっけ?」となることは少ないんじゃないでしょうか。


・EndNoteのxmlファイルとのインポートエクスポートが可能
 (Zoteroからのインポートも可能)


・Mendeley上のドキュメントはキーワードや著者名、雑誌名、タグを使って探せる。



デメリット

ちょっといじってみた限りではいいところだらけなのですが、最大の欠点は容量が
500MBしかないということでしょう。(Larger account coming soon...と書かれてますが…)

これしかないと容量オーバーが現実的な問題になってきますが、将来的にプレミアム
アカウント(やはり有料でしょうか)を作って容量を増やせるようになるようです。
これだけ高機能であればお金払ってもいいかなーと思いますが、あくまで無料でやって
いくことを考えると、例えばテーマごとにアカウントを作って論文を分けていけば
容量制限をうまく回避できるかと。それはそれで面倒ですが(汗)


容量の点を除けば、Mendeleyは今のところベストの選択と呼べるのではないでしょうか。
使いたいけど、これまでEvernoteに貯めたドキュメントを移すのが面倒くさい…