音楽と言語に見られる共通性
Music and speech share a code for communicating sadness in the minor third
(Scientific Americanより)
一般的に、長調の音楽は明るく楽しい感じで短調の曲は暗くて悲しい感じがしますが、
これらの違いは、ドミソの和音で言えばドとミの間の音程が長三度になるかフラットが
ついて短三度になるかで決まり、長三度であれば明るい感じで、短三度なら悲しい感じの
雰囲気が生まれてきます。
この、短三度の音程と悲しみの感情との関係が言語でも見られることを示した研究に
ついての記事です。研究では、「let's go」や「come here」といった言葉を、怒ったときや
喜んだとき、悲しいときなど違う感情を込めてしゃべってもらい、その際の声について
音程の変化を調べました。
すると悲しみを込めた言葉の音程変化は、短三度と近い変化の幅だったそうです。
また、感情を込めた言葉から音程の変化だけを取り出して聴かせ、その音から受ける
感情的な評価をさせたところ、短三度と近い変化の音程に対して悲しみと評価する
傾向が見られたということです。
認知神経科学者のSteven Brownは、はるか昔に言語と音楽は一体だったとして
「musilanguage」という説を主張していますが、今回の研究はそれに近いものが
ある一方、研究を行ったCurtisさんはこの説を支持する証拠を集めるのは難しいと
述べています。むしろこの現象が違う種類の言葉においても見られるのかに
興味が向かっている様子。
音楽と言語の起源についてはこんな本もあります。なんだか面白くなくて半分も読まず
に放り出してしまったものの、Amazonでの評価は高いようなので、気になった方は読んで
みると面白いのではないでしょうか。